主要5サービスの「学習OFF」「プライバシー設定」を、画面の手順どおりに設定する
この手順書では、ChatGPT・Claude・Gemini・Microsoft Copilot・Grok(xAI)の5サービスについて、「入力データがAIの学習(モデル改善)に使われない」設定にする手順を解説します。業務でAIを使う場合、最低限この設定を全員が行ってください。
学習OFF = 入力データがモデル改善に使われなくなる。チャット履歴の閲覧やメモリ機能は別設定で維持できます。学習OFFにしても使い勝手は変わりません。詳しくは「AI導入対策リスト」Part Dを参照してください。
| サービス | 無料プラン | 個人有料プラン | 法人プラン / API |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 学習ON 手動でOFF可 |
学習ON 手動でOFF可 |
学習OFF Team/Enterprise/API |
| Claude | 学習ON 手動でOFF可 |
学習ON Pro/Max 手動でOFF可 |
学習OFF Team/Enterprise/API |
| Gemini | 学習ON 手動でOFF可(履歴も連動OFF) |
学習ON 手動でOFF可(履歴も連動OFF) |
学習OFF Google Workspace |
| Copilot | 学習ON 手動でOFF可 |
学習ON 手動でOFF可 |
学習OFF Microsoft 365 Copilot |
| Grok | 学習ON 手動でOFF可 |
学習ON SuperGrok 手動でOFF可 |
学習OFF Business/Enterprise |
ChatGPT Team/Enterprise、Claude for Work(Team/Enterprise)、API、Google Workspace with Gemini、Microsoft 365 Copilot、Grok Business/Enterpriseでは、データは学習に使われません。以下の手動設定は不要です。
チャット履歴はそのまま閲覧できます。メモリ機能も使えます。過去のチャットを検索・参照することもできます。使い勝手に影響はありません。
「すべての人のためにモデルを改善する」の設定は、PC・スマホ・タブレットなどすべてのデバイスに同期されます。どれか1つで設定すればOKです。
「設定 → データコントロール」には、学習OFF以外にもいくつかの項目があります。質問が出やすい項目をまとめました。
| 項目名 | 何をする設定か | 推奨 |
|---|---|---|
| リモートブラウザーデータ | ChatGPTのエージェント機能(Operator等)が仮想ブラウザでWebサイトを操作したときに残るデータ。クッキーやログイン情報が含まれる場合がある | 定期的に削除 使用後に「削除」を押して消すのが安全 |
| 共有済みのリンク | チャットを「リンクで共有」した履歴を管理する。共有リンクを知っている人は誰でも内容を閲覧できる | 確認・整理 業務チャットを共有していないか確認。不要なリンクは削除 |
| アーカイブ済みのチャット | サイドバーから非表示にしたチャットの一覧。データは残っている(削除ではない) | そのままでOK 整理目的で使う機能。セキュリティ上の影響なし |
| すべてのチャットを削除する | 全会話履歴を完全削除する。復元不可 | 必要に応じて 退職・引き継ぎ時や、アカウントを他人と共有している場合に検討 |
| データをエクスポートする | アカウント情報と全チャット履歴をファイルでダウンロードする。メールでリンクが届く | 必要に応じて バックアップや退職前の記録保存に便利 |
2025年10月8日以降、Claude の Free / Pro / Max プランでは入力データがモデル改善に使われる設定がデフォルトでONになっています。以前はデフォルトOFFでした。必ず手動で確認・変更してください。
学習OFFの場合、データは安全性・不正利用監視の目的で最長30日間保持されますが、モデルの改善には使用されません。学習ONの場合は最長5年間保持されます。
Claudeにも ChatGPT と同様のメモリ機能があります。「設定 → 機能」から管理します。
Claude for Work、API、Amazon Bedrock、Google Vertex AIでの利用は、設定に関係なくモデル改善に使われません。この手動設定は不要です。
「設定 → プライバシー」には、学習OFF以外にもいくつかの項目があります。
| 項目名 | 何をする設定か | 推奨 |
|---|---|---|
| プライバシー設定 | データの取り扱いに関する全般的な設定を管理する画面 | 確認しておく 一通り目を通しておくと安心 |
| データのエクスポート | 全会話とアカウント情報をファイルでダウンロードする。メールでリンクが届く | 必要に応じて 退職前の記録保存やバックアップに |
| 共有 | チャットのリンク共有に関する設定。共有リンクの管理ができる | 確認・整理 業務チャットを共有していないか確認 |
| チャット記憶設定 | メモリー機能の有効/無効。「設定 → 機能」からの設定と同じ内容 | 上記 設定② を参照 |
| ロケーション | 位置情報の利用に関する設定 | そのままでOK 必要に応じて確認 |
| メタデータ | 会話に付随するメタデータ(デバイス情報など)の扱いに関する設定 | そのままでOK 通常は変更不要 |
ChatGPTやClaudeと異なり、Geminiでは「アクティビティをOFF」にすると「チャット履歴の保存」も同時にOFFになります。つまり、学習に使われないようにすると、過去のチャットを見返すこともできなくなります。
Geminiの「学習と履歴が一体」という仕様は不便ですが、以下の3パターンから自分の使い方に合ったものを選んでください。
| 選択肢 | 設定 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| A. 完全OFF 安全重視 |
アクティビティをOFFにする | 学習に一切使われない。機密情報を扱う場合に最も安全 | チャット履歴が残らない。後から見返せない |
| B. ONのまま短縮 バランス型 |
アクティビティはONのまま、自動削除を「3か月」に設定 | 履歴が使える。3か月で自動的にデータが消える | 3か月間は学習に使われる可能性がある |
| C. 使い分け おすすめ |
アクティビティはONのまま短縮設定+機密情報はGeminiに入力しない | 利便性を維持しつつリスクを限定できる | 「何を入力してよいか」の判断が必要 |
Geminiは調べもの・アイデア出し・文章の下書きなど「機密情報を含まない作業」に活用し、顧客情報や社内の非公開データを扱う作業にはChatGPTやClaudeなど学習OFFと履歴保持を両立できるサービスを使う、という使い分けが現実的です。どうしてもGeminiで機密情報を扱う必要がある場合は、選択肢Aで完全OFFにしてください。
アクティビティをONのまま使う場合は、自動削除期間をデフォルトの36か月から短縮しましょう。
選択肢AでアクティビティをOFFにしても、入力データはサービス運用・不正利用防止の目的で約72時間(3日間)保持されます。この間はGoogleのサーバーにデータが存在します。
上の3択はすべて個人版(無料 / Google AI Pro)の話です。Google Workspace版のGeminiは仕組みが根本的に違い、この「オール・オア・ナッシング」問題が起きません。
| 個人版 Gemini (無料 / Google AI Pro) |
Google Workspace版 Gemini | |
|---|---|---|
| モデル学習に使われるか | アクティビティONのとき、使われる可能性がある | 契約上、使われない(人間による確認もなし) |
| チャット履歴 | アクティビティOFFにすると履歴も消える(連動) | 履歴は残したまま学習だけ拒否できる(独立) |
| データの管理主体 | 契約した組織(管理者が一括管理) | |
| 広告への利用 | 利用される可能性がある | 利用されない |
| 料金 | 無料 / Google AI Pro 月額2,900円 | Business Starter 月額800円〜(税抜・年契約・1ユーザー) |
Google Workspace版は企業向けの契約(データ処理規約)に基づいてサービスが提供されており、利用規約上「入力したプロンプト、出力された回答、参照したファイルの内容はAIの学習に使用しない」ことが明記されています。そのため、アクティビティ(履歴)をONにしていても学習には使われません。個人版にはこの契約上の保証がないため、学習を止めるにはアクティビティ自体をOFFにするしかない、という構造的な違いがあります。
Google Workspaceは法人専用ではなく、個人事業主やフリーランスでも契約可能です。独自ドメインが必要ですが、Business Starter(月額800円〜)でもGemini機能が含まれています。Geminiを業務の中心に据えるなら、「学習OFF+履歴ON」を両立できるWorkspace版の検討をおすすめします。
Geminiではチャット履歴とアクティビティが連動しているため、削除方法を理解しておくことが大切です。
| 機能 | 何をする機能か | 推奨 |
|---|---|---|
| アクティビティの個別削除 | 「マイ アクティビティ」画面で、特定の会話を選んで削除できる。「1時間以内」「過去1日間」「全期間」など期間指定も可能 | 必要に応じて 機密情報を含む会話を個別削除 |
| 自動削除の期間設定 | デフォルトは36か月(3年)保持。3か月に短縮するか、自動削除なしに変更できる | 3か月に変更推奨 業務利用なら保持期間は短いほうが安全 |
| Google データエクスポート(Takeout) | Googleアカウント全体のデータエクスポート機能を使って、Geminiのアクティビティデータもダウンロードできる | 必要に応じて takeout.google.com からエクスポート可能 |
Microsoftのシステムへの反映には最大30日かかる場合があります。デフォルトの会話データ保持期間は18か月です。
Microsoft 365 Copilot(法人向け)では、入力データがモデル改善に使用されません。テナント内でデータが処理され、エンタープライズ級のデータ保護が適用されます。この手動設定は不要です。
Copilotの会話データは最大18か月間保持されます。以下の管理機能があります。
| 機能 | 何をする機能か | 推奨 |
|---|---|---|
| 会話履歴の削除 | サイドバーの各会話の「…」→「削除」で個別に削除できる。または、プライバシーダッシュボード(account.microsoft.com/privacy)から一括削除も可能 | 必要に応じて 削除は復元不可。重要な情報は先にエクスポート |
| アクティビティ履歴のエクスポート | プライバシーダッシュボードの「Copilotアクティビティ履歴」から「すべてのアクティビティ履歴をエクスポート」でCSV形式でダウンロード | 必要に応じて 退職前の記録保存に |
| カスタマイズ(パーソナライズ) | 「プライバシー → パーソナライゼーション → カスタマイズ」で、Copilotがあなたの情報を記憶する機能のON/OFF。OFFにするとメモリが消去される | 必要に応じて 共有PCの場合はOFF推奨 |
① grok.com またはGrokアプリ(スタンドアロン版)と、② X(旧Twitter)アプリ内のGrokでは、デフォルト設定と設定手順が異なります。この手順書では両方を解説します。
X(旧Twitter)アプリ内からGrokを使う場合、投稿データやGrokとのやり取りがデフォルトでモデル学習に使用されます。grok.com のスタンドアロン版では学習OFFがデフォルトとされていますが、X経由では必ず手動でOFFにしてください。
プライベートチャットを含め、削除された会話データはxAIのサーバーに最大30日間保持された後に削除されます(法的義務やセキュリティ目的で延長される場合があります)。
Grok Business/Enterprise(2026年1月〜提供開始)では、データはモデル改善に使用されません。SOC 2準拠、データ暗号化、GDPR/CCPA対応が含まれます。この手動設定は不要です。
Grokでの会話データの管理方法は、grok.com版とX経由版で異なります。
| 機能 | 何をする機能か | 推奨 |
|---|---|---|
| 会話の個別削除 (grok.com) |
サイドバーの各会話の「…」メニューから削除できる。削除後30日以内にサーバーからも消去 | 必要に応じて 機密情報を含む会話は早めに削除 |
| 会話履歴の一括削除 (X経由) |
X Settings → Privacy and safety → Data sharing → Grok → 「会話履歴を削除」で一括削除できる | 使ったら削除推奨 X経由のGrokは学習リスクが高いため |
| X投稿データの学習拒否 | 「データコントロール」→「GrokをXを使ってパーソナライズ」をOFFにすると、X上の投稿データがGrokの学習に使われなくなる | OFFにする 業務アカウントでは必ずOFF |
2026年3月時点で、Grokには会話データをファイルでダウンロードする機能がありません。重要な会話は自分でコピー&保存してください。
以下の表を使って、自分が使っているサービスの設定が完了しているか確認してください。
| サービス | 確認する設定 | 確認済み | 備考 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 設定 → データコントロール → すべての人のためにモデルを改善する = OFF |
☐ | 全デバイスに同期 |
| Claude | 設定 → プライバシー → Claudeの改善にご協力ください = OFF |
☐ | 2025年10月〜 デフォルトON |
| Gemini | 選択肢A:アクティビティ = オフにする 選択肢B/C:自動削除 = 3か月に設定 |
☐ | A=履歴も消える B/C=履歴は残る |
| Copilot | プライバシー → パーソナライゼーション → モデルトレーニング = OFF |
☐ | 反映に最大30日 |
| Grok (grok.com) |
設定 → データコントロール → モデルを改善する = OFF |
☐ | スタンドアロン版 |
| Grok (X経由) |
X Settings → Privacy and safety → Data sharing → Grok → チェック外す |
☐ | デフォルトON 要注意 |
初期設定は一度やれば完了ですが、サービスのアップデートで設定がリセットされることがあります。アップデート後に再確認する習慣をつけましょう。特にClaudeのように、デフォルト設定が変更されたケースもあります。
※ UIの表記やメニュー配置は、サービスのアップデートにより変更される場合があります。本手順書は2026年3月時点の情報に基づいています。