生成AI活用マーケティング講座
2026年3月9日(月)|講師:山口 竜一
自動車の免許を取るのと同じ。段階があります。
仕組みと現在地
セキュリティ・リスク
実際にAIを操作
模擬クライアントワーク
就職活動に活かす
教科書『生成AI最速仕事術』は Cの実践ガイド として使います。
1限目(60分)── Step A
2つの地図で全体像と現在地を掴む
教科書は辞書(実務の参考書)として使います。
教科書に書いてあること以上の価値をちゃんと出します。
本気でやるからついてきてください。
LLM(大規模言語モデル)= 大量のテキストから「次に来そうな言葉」を予測する仕組み
パターンを学習しているだけ。だから事実の間違い(ハルシネーション)が起きる
学習データに含まれない情報は答えられない。検索機能は後付け
「予測」が仕事なので、正確な計算は別の仕組み(Code Interpreter等)が必要
皆さんが触っているChatGPTは、真ん中の「一次サービス」です。
ChatGPTの画面を開いて使う
= 完成品をそのまま使う
データは提供側のサーバーに送信される
自分のアプリからAIのエンジンを呼び出す
= エンジンだけ借りる
データは同じく提供側のサーバーに送信される
生成AI導入済み企業:57.7%(NRI 2025)
前年44.8%から急増
活用方針を策定している企業:49.7%
米国は84.8%。日本は半分がルールなしで運用
AIを導入した企業の半数近くが
「ルールなしで使っている」状態。
ここにチャンスがある。
「AIが使えます」だけでは足りない。企業が本当に欲しいのは:
AIに適切な指示を出せる
AIの出力を見抜いて直せる
何を入れてよくて何がダメか分かる
「AI使えます」+「リスク管理もできます」
= 最強の採用アピール
2限目(60分)── Step B
セキュリティ・法務・リスク
何をAIに入れてよいか。信号機で覚える。
| 色 | 分類 | 扱い |
|---|---|---|
| 🟢 | 公開情報、一般知識 | 制限なく使用可 |
| 🟡 | 社内資料、匿名化済みデータ | 法人プラン+設定確認の上で使用 |
| 🔴 | 顧客個人情報、NDA資料、認証情報 | 一次ベンダー法人契約のみ、または入力禁止 |
「危ないサービス」より 「危ない使い方」 の方が支配的。
| 設定 | 機能 | 影響 |
|---|---|---|
| 学習OFF | AIモデルの改善に使われない | 履歴は残る、メモリも使える |
| 履歴OFF | 過去チャットを保存しない | 学習とは別概念 |
| メモリOFF | ユーザー情報を記憶しない | 「前に話したあれ」が効かなくなる |
学習OFFにしても不便にはならない。
迷ったらまずこれだけやる。
Settings → Data Controls
→ 「Improve the model for everyone」をOFF
設定画面
→ 学習利用をOFF
アクティビティ設定
→ OFFにする
※履歴と学習が連動 — 注意
今この場で全員一緒にやりましょう。画面を開いてください。
法人プランを使えない場合は、入れていい情報の境界を企業より厳しくする。
各サービスの学習利用をOFFにする(さっきやりました)
個人名→「顧客A」
会社名→「X社」
金額→「●万円」
クライアント契約でAI利用の可否を確認
| 分類 | サービス例 | 扱い |
|---|---|---|
| 🟢 | OpenAI Business、Google Workspace with Gemini | 顧客の非公開情報を扱う候補になり得る |
| 🟡 | Napkin AI、Gamma、イルシル | 公開情報・匿名化済みなら可。生データは入れない |
| 🔴 | 無料/個人プラン全般、運営主体不明のサービス | 顧客の生個人情報・NDA資料は入れない |
先週使ったGammaやNapkin AIは🟡(黄色)。公開情報で使うなら問題なし。
AIに送る前に個人情報を自動検出・置換するツールです。
1. テキストを貼り付ける
2. 「マスキング」ボタンを押す
3. 個人情報が自動で置換される
4. そのままAIに送信
ブラウザ上で動く = データは外に出ない
完全ではないので最終確認は目視
習慣化が最重要
3限目(60分)── Step C①
ここから実技。教科書はこのステップの辞書です。
何を渡すかで、返ってくるものが変わる。
「いい感じの提案書作って」
→ 曖昧。誰向け?何の提案?長さは?
役割・目的・条件・出力形式が明確
→ AIが「何を求められているか」分かる
もう1つ メタプロンプトひな形(AIにプロンプトを作ってもらうテンプレート)も配布します。
ひな形を使って、実際にビジネスメールの下書きを作ってみましょう。
重要:AIの出力をそのまま送らない。必ず自分の言葉で確認・修正する。
4限目(60分)── Step C②
金曜の失敗を踏まえて、正しい使い方で再挑戦
金曜の失敗:「指示文」を渡していた → 正しくは「コンテンツ」を渡す
「化粧水のプロモーション企画を考えてスライドにして」
→ Gammaに考えさせてしまった
ChatGPTで提案内容を先に作る → そのテキストをGammaに渡す
→ Gammaはレイアウト担当
ChatGPTで
提案内容を作る
テキストを
Gammaに貼る
Gammaが
スライド化
手動で
調整・修正
考えるのは自分+ChatGPT。レイアウトはGamma。役割分担が大事。
文章を貼り付ける → ワンクリックで図解・ダイアグラムが生成される
フロー図、比較表、プロセス図、階層図
→ 概念の可視化に強い
🟡サービス(SOC 2 Type II取得済み)
→ 公開情報で使うならOK
顧客の生データは入れない
【実習】さっき3限で作ったメールの内容を、Napkin AIで図解にしてみましょう。
5限目(60分)── Step C③
テキスト→画像→図解→スライド を一連の流れで作る
ChatGPTで
提案文を作成
Napkin AIで
概念を可視化
ChatGPT/Geminiで
イメージ画像生成
Gammaで
全部をまとめる
それぞれのツールは「単機能」。組み合わせて初めて実務で使えるものになる。
ソラシカ株式会社の案件を例に、①〜④を実際にやってみます。
明日のStep D(模擬クライアントワーク)では、この流れを自分でやってもらいます。
「毎回同じプロンプトを書く手間」をゼロにできる機能
自分の全チャットに反映
共有:不可
特定の仕事用にファイルと設定をまとめる
共有:不可
自分専用AIアシスタント
共有:チームで可能
他のサービスにも同様の機能あり → Claude:プロジェクト / Gemini:Gems
AIの構造、導入の現実、求められる人材像を理解した
データ分類、設定、マスキングを実践した
プロンプト設計、Gamma、Napkin AI、ツール統合を体験した
AIを使える人はたくさんいる。
AIを見極められる人が、市場価値になる。
教科書の第3章・第5章をパラパラめくっておいてください。
「こんなこともできるんだ」程度でOKです。
お疲れさまでした。