プロンプトひな形集

AIに「伝わる聞き方」をするための実践テンプレート

生成AI活用マーケティング講座 ─ 配布資料
💡

この資料について

この資料は「AIへの聞き方(プロンプト)」のテンプレート集です。
プロンプトに正解はありません。でも「伝わりやすい型」はあります。
まずは型を使ってみて、慣れてきたら自分の言葉で書いてみてください。

📖 この資料の使い方

テンプレートの 【 】 の部分を自分の内容に書き換えてAIに渡します。すべての項目を埋める必要はありません。「タスク」と「参考情報」だけでもOKです。

🧱

プロンプトの6つの基本要素

良いプロンプトを構成するパーツ

教科書では良いプロンプトの要素として「目的」「条件」「参照情報」の3つを紹介しました。これをもう少し丁寧に分解すると、以下の6つのパーツになります。全部入れなくても大丈夫。最低限「タスク」と「参考情報」の2つがあれば、AIは動いてくれます。

精度UP
1

役割

AIに「あなたは〇〇の専門家です」と伝える。
回答の視点・レベル感が変わります。

精度UP
2

背景

自分の状況や目的を伝える。
「なぜこれが必要なのか」がわかるとAIの回答がぐっと的確になります。

必須
3

タスク

何をしてほしいかを具体的に伝える。
教科書の「目的」にあたる部分です。

精度UP
4

条件・制約

対象読者、トーン、文字数、含めたいキーワード、避けたいことなど。
教科書の「条件」にあたります。

必須
5

参考情報

AIに判断材料を渡す。募集要項、データ、元の文章など。
教科書の「参照情報」にあたります。

精度UP
6

出力形式

どんな形で出してほしいかを伝える。
「箇条書き」「表形式」「3案出して」など。

🔧

プロンプトが劇的に良くなる5つのコツ

最新のプロンプトエンジニアリング研究から厳選

① 具体的に、はっきり書く 効果:大

「良い感じにして」は伝わりません。具体的な言葉で書きましょう。

❌ NG
化粧水の良い紹介文を書いて
✅ OK
30代女性向けの化粧水の紹介文を200文字以内で書いてください。
訴求ポイントは「時短」と「高保湿」。
カジュアルで親しみやすいトーンでお願いします。

ポイント:誰に・何文字・どんなトーンを入れるだけで全然違います。

② 「例」を見せる 効果:大

「こういう感じで」と実例を1〜3個見せると、AIは一気に理解してくれます。
専門用語では「Few-shot プロンプティング」と言います。

✅ 例を見せるパターン
以下の形式でキャッチコピーを5案作ってください。

【例】
・朝の3分で、一日中うるおう肌へ。
・忙しいあなたに、つけるだけ保湿。

上記のような、短くてリズム感のあるコピーをお願いします。

ポイント:例を見せれば「文体・長さ・雰囲気」がAIに伝わります。言葉で説明するより早いです。

③ 一度に全部頼まない(段階的に頼む) 効果:中

長い仕事は一度に頼むより、ステップに分けて頼む方が精度が上がります。

❌ 一発で全部やろうとする
マーケティング戦略の全体像を作って。分析もコピーも施策案も全部。
✅ ステップに分ける
ステップ1:「まず、ターゲット分析をしてください」
ステップ2:「その結果をもとに、訴求メッセージを5案出してください」
ステップ3:「2番の方向性で、施策の具体案を作ってください」

ポイント:前のステップの結果を確認してから次に進むのが大事。途中で方向修正できます。

④ 「やらないで」より「こうして」 効果:中

禁止事項より、やってほしいことを書く方がAIは正確に動きます。

❌ NG
専門用語を使わないで。長すぎないようにして。
✅ OK
中学生でもわかる言葉で説明してください。
各段落は3行以内でまとめてください。

ポイント:「ダメ」と言うより「こうして」の方が結果が安定します。
※ 薬機法違反などの絶対にやってはいけないことは禁止表現でOKです。

⑤ 参考情報は「ここからここまで」と明示する 効果:大

参考資料やデータをAIに渡すとき、どこからどこまでが資料なのかを明確にしましょう。

✅ 「"""」で囲む方法(ChatGPT・Gemini向き)
以下の募集要項を読んで、提案のポイントを3つ挙げてください。

"""
(ここに募集要項の全文を貼り付ける)
"""
✅ XMLタグで囲む方法(Claude向き)
以下の募集要項を読んで、提案のポイントを3つ挙げてください。

<参考資料>
(ここに募集要項の全文を貼り付ける)
</参考資料>

ポイント:囲むことでAIが「指示」と「資料」を混同しなくなります。
Claudeを使うときはXMLタグ(< >で囲む書き方)が特に効果的です。

📋

基本テンプレート

コピーして使えるプロンプトのひな形

このテンプレートをコピーして、【 】の部分を自分の内容に書き換えてください。必要な項目だけ使えばOKです。使わない項目は削除してください。

📋 基本テンプレート コピーして使ってください
# 役割 あなたは【〇〇の専門家 例:マーケティング戦略のコンサルタント】です。 # 背景 - 私は【自分の仕事・立場 例:中小企業のマーケティング担当者】です - 現在【状況 例:新商品の販促キャンペーンを企画中】 - 【目的 例:社内プレゼン用の企画書を作りたい】 # タスク 【やってほしいこと 例:販促キャンペーンの企画書の骨子を作成してください】 # 条件・制約 - 対象読者:【誰に向けたものか 例:経営層への社内プレゼン】 - トーン:【文章の雰囲気 例:データに基づいた説得的なトーン】 - 文字数:約【〇〇】文字 - 含めてほしいキーワード:【〇〇、〇〇】 - 避けてほしいこと:【〇〇 例:根拠のない数値予測】 # 参考情報 """ 【ここに参考資料、データ、元の文章などを貼り付ける】 """ # 出力形式 【出力の形式 例:見出し付きの文章で、各セクション3〜5行程度】
💡 最低限これだけあればOK

「タスク」と「参考情報」の2つ。何をしてほしいか+判断材料があればAIは動けます。精度を上げたいときに「役割」「条件・制約」「出力形式」を足していきましょう。

穴埋めでプロンプトを作る

下のフォームに入力すると、完成プロンプトが自動で生成されます。コピーボタンでそのままAIに貼り付けられます。

✅ 完成プロンプト
🤖

メタプロンプト — AIにプロンプトを作ってもらう

精度を上げたいとき・慣れていないツールを使うときの2ステップ手法

自分でプロンプトを書く代わりに、AIにプロンプトを作ってもらうという方法があります。 特に、慣れていないツールや初めてのタスクでは、この方法の方が精度が高くなります。
ポイントは2ステップに分けること。1回目でベストプラクティスを調べてもらい、2回目でそれに従ってプロンプトを整形してもらいます。

ステップ1:ベストプラクティスを調べてもらう

まず、やりたいことに対して「どういうプロンプトが効果的なのか」をAIに調べてもらいます。これだけで1回のやり取りを終わらせます。

🤖 ステップ1:ベストプラクティスを調べてもらう コピーして使ってください
【やりたいこと 例:Gammaでプレゼンスライドを作りたい/自己PR文を書きたい/SNS広告のコピーを作りたい】 これについて、AIに依頼するときのベストプラクティス(効果的なプロンプトの書き方・構成・コツ・注意点)を、最新情報をリサーチした上でまとめてください。
📖 なぜ「リサーチして」と書くのか

「教えてください」だとAIが元々持っている知識だけで答えてしまいます。「最新情報をリサーチして」と書くと、ChatGPTやGeminiなどの検索機能を使って最新の情報を調べてからまとめてくれます。ツールのUIや仕様は頻繁に変わるので、このひと手間が精度を大きく左右します。

ステップ2:ベストプラクティスに従ってプロンプトを作ってもらう

ステップ1の回答を見たうえで、同じチャットの続きでこう頼みます。

🤖 ステップ2:プロンプトを作ってもらう コピーして使ってください
ありがとうございます。 では、今教えてもらったベストプラクティスに従って、 私のやりたいことに合ったプロンプトを作ってください。 私の状況は以下の通りです: 【ここに自分の状況・やりたいこと・ターゲット・手持ちの情報などを書く】 【もし参考資料があれば、ここに貼り付ける】 上記をもとに、最適なプロンプトを作成してください。 私が自分で書き換えるべき部分があれば【 】で示してください。
★ ここで立ち止まる ★
AIが作ったプロンプトを読んで、「自分が本当に言いたいことが入っているか」を確認する。入っていなければ「〇〇も追加して」と伝える。このステップが一番大事です。
💡 この2ステップ方式が有効な理由

研究では、1回で全部やらせるよりも、ステップを分けて1つずつ集中させた方がAIの精度が上がることがわかっています。ステップ1でAIが「このタスクにはこういう構成が効果的」という知識を持った状態でステップ2に進むので、出来上がるプロンプトの質が段違いになります。

🔀

ゴールシークプロンプト — 何から始めればいいかわからないとき

考えがまとまらないときの奥の手

「何をどう聞けばいいかすらわからない」「漠然としたイメージはあるけど言葉にできない」というとき。AIの方から質問してもらい、対話しながらプロンプトを完成させる方法です。

🔀 ゴールシークプロンプト コピーして使ってください
あなたは優秀なプロンプトエンジニアです。 私のニーズに合わせて、最高のプロンプトを一緒に考えてください。 以下のプロセスに従ってください。 1. まず最初に、何についてのプロンプトであるかを私に確認してください。 私が答えを提供するので、次のステップを経て改善してください。 2. 私の入力に対して、3つのセクションを生成してください。 ① 改訂されたプロンプト (書き直したプロンプトを提示。明確・簡潔で理解しやすいもの) ② 提案 (プロンプトを改善するために含めるべき詳細の提案) ③ 質問 (プロンプトを改善するために必要な追加情報を私に質問) 3. 私が「完了」と言うまで、このプロセスを繰り返してください。

使い方の流れ

1
上のテンプレートをAIに投げる
ChatGPT、Gemini、Claudeなど汎用AIに渡す
2
AIが「何についてのプロンプトですか?」と聞いてくる
「求人応募用の自己PR文を書きたい」のように、ざっくり答えればOK
3
AIが「改訂プロンプト」「提案」「質問」を返してくる → 質問に答える
答えるたびにプロンプトがどんどん精度を増していく。これを何回か繰り返す。
★ 納得できたら確認する ★
出来上がったプロンプトを読んで「自分が本当に言いたいこと」が入っているか確認する。
足りなければ「〇〇も追加して」と伝える。
4
「完了」と伝え、完成プロンプトを使う
新しいチャットを開いて、完成プロンプトを投げる。
💡 プロンプト作成だけじゃなく、思考整理にも使える

AIが質問してくれるので、答えていくうちに自分の考えが整理されます。「何がしたいのか自分でもよくわからない」という状態から始めても大丈夫です。

🚫

やりがちなNGパターン

これをやると精度が下がります

NG① 「良い感じにして」で終わる

良い感じの提案書を作って

修正:「誰に」「何を」「どんなトーンで」「どのくらいの長さで」を加える

NG② 参考情報なしで高度な成果物を求める

うちの商品のキャッチコピーを考えて

修正:商品の特徴、ターゲット、競合との違いなどの情報を一緒に渡す。AIはあなたの商品を知りません。

NG③ 全部一度に頼む

分析もして、コピーも考えて、施策案も作って、全部お願い

修正:1回の依頼で1つのことを頼む。結果を確認してから次のステップへ。

NG④ AIの回答をそのまま使う

(AIが出してくれたからそのまま提出)

修正:必ず自分の目で確認する。おかしいところは「ここを直して」と追加で頼む。
特に数字・固有名詞・法的表現は必ず自分で裏を取る。

NG⑤ 大文字・威圧的な表現で命令する

絶対に間違えるな!!!必ず完璧にやれ!!!

修正:普通に丁寧に頼めばOK。威圧的な表現はAIの精度を下げるという研究結果があります。
「確認のために根拠も示してください」のように、冷静に頼む方が効果的です。

📝

実践例:求人応募のための自己PR戦略を作る

基本テンプレートを使った具体例

基本テンプレートに実際の内容を埋めた例です。このまま汎用AI(ChatGPT、Gemini、Claude)に投げられます。

📝 実践例 ─ 自己PR文の作成を依頼するプロンプト
# 役割 あなたはキャリアコンサルタントであり、 中途採用の書類選考に精通した転職支援のプロです。 # 背景 - 私は40代後半の求職者で、現在マーケティング職への転職活動中です - 前職では小売業の店舗運営(15年)を経験しました - 異業種からの転職のため、経験をどう活かせるかの見せ方に悩んでいます - 今回の応募先は中小メーカーのマーケティング部門です # タスク 以下の求人票と私の職務経歴をもとに、 応募書類に使える自己PR文(400字程度)を3パターン作成してください。 各パターンで異なる強みにフォーカスしてください。 # 条件・制約 - トーン:誠実で前向き、過度な自己アピールは避ける - 異業種からの転職であることを弱みではなく強みとして構成する - 具体的なエピソードや数字を含める - 応募先企業の求める人物像に合わせる # 参考情報 """ 【求人票】 (ここに求人票の全文を貼り付ける) 【職務経歴の要約】 (ここに自分の経歴を箇条書きで貼り付ける) """ # 出力形式 3パターンそれぞれに「フォーカスする強み」の見出しを付けて、 本文→この自己PRが効果的な理由(2行)の構成で出力
📖 この例のポイント

・「役割」で転職支援のプロを指定 → 書類選考の視点で書いてくれる
・「背景」で異業種転職という状況を明示 → AIがその文脈を踏まえて提案する
・「条件」で「弱みではなく強みとして構成」と方向性を指定
・「参考情報」に求人票+経歴の両方を入れる → マッチング精度が上がる
・「出力形式」で3パターン+理由を指定 → 比較して選べる

🎯

まとめ — 覚えておいてほしいこと

プロンプトは「仕事の依頼書」と同じ

人に仕事を頼むとき、「良い感じにやって」では伝わりません。
「誰に向けて」「何を」「どんな形で」を伝えるから、期待通りの成果が返ってくる。
AIへの依頼もまったく同じです。

3つの原則

📎

材料を渡す

AIはあなたの仕事を
知りません。
参考情報を必ず添える。

🔍

確認する

AIの回答をそのまま
使わない。
必ず自分の目で確認。

🔄

やり直しOK

1回で完璧にならなくて
いい。「ここを直して」と
何回でも頼める。

💡 最後に

このひな形は「考え方の補助輪」です。慣れてきたら、ひな形を使わずに自分の言葉で書いてください。それが一番うまくいきます。